喫煙のがんを始めとする健康に関する情報(参考文献の紹介)|学会概要|日本癌学会

日本癌学会

学会概要

喫煙のがんを始めとする健康に関する情報(参考文献の紹介)

最終更新日:2023年7月27日 

日本癌学会喫煙対策委員会では、新型たばこを含め、喫煙とがんを始めとする健康にまつわる国内外の様々な研究結果について、注目すべき参考文献を定期的に1~2編ずつ紹介していく取り組みを始めました。ここに紹介する研究論文は、がん予防・がん医療に対するインパクトの強さ、社会的インパクトをはじめ、最新の健康・医療にまつわるトピックスなども参考に選択しています。

【参考文献21】

タイトル:Postdiagnosis Smoking Cessation and Reduced Risk for Lung Cancer Progression and Mortality: A Prospective Cohort Study.
著 者:Sheikh M, Mukeriya A, Shangina O, Brennan P, Zaridze D.
雑誌名:Ann Intern Med. 2021;174(9):1232-9
リンク:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34310171/

【文献の紹介文】

この論文では、肺がんの診断後に禁煙することが、疾患の進行および死亡のリスクに影響を与えるかどうかを前向きに調べて報告しました。モスクワの2つの病院で2007年から2016年までに早期(ステージIA-IIIA期)非小細胞肺がんと診断された喫煙者517人を平均7年追跡しています。全生存期間中央値 (調整後)は、禁煙した患者の方が喫煙を続けた患者よりも21.6カ月伸びていました(それぞれ6.6年対4.8年、P = 0.001)。5年全生存率(60.6% vs 48.6%;P = 0.001)および無増悪生存率(54.4% vs 43.8%;P = 0.004)も禁煙した方が良好という結果でした。

【紹介者コメント】

早期肺がんの診断後に禁煙すると治療の内容に関わらず約2年予後が延長する効果があるというもので、肺がんになった後も禁煙することが重要であることが再確認されました。

担当委員:川井 治之(岡山済生会総合病院 内科・がん化学療法センター)

過去の参考文献

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