喫煙のがんを始めとする健康に関する情報発信【参考文献16】|学会概要|日本癌学会

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喫煙のがんを始めとする健康に関する情報発信【参考文献16】

最終更新日:2023年4月4日 

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【参考文献16】

タイトル: Spatial, temporal, and demographic patterns in prevalence of smoking tobacco use and attributable disease burden in 204 countries and territories, 1990-2019: a systematic analysis from the Global Burden of Disease Study 2019.
著者: Reitsma MB, Kendrick PJ, Ababneh E, et al.
雑誌名: The Lancet. 2021; 397: 2337-2360.
リンク: https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0140673621011697?via%3Dihub

【文献の紹介文】

この論文では、3625の代表性のある調査データを用いて、1990年から2019年の世界204の国とテリトリーにおける喫煙率とたばこによる疾病負荷をモデルにより推定しています。推定結果によると、2019年には11憶4千万人の喫煙者がおり、15歳以上年齢調整喫煙率は男性で32.7%、女性で6.62%となっています。喫煙者の数では、中国、インド、インドネシア、アメリカ、ロシア、バングラデッシュについで日本は世界で7番目に多い国となります。2019年における日本の年齢調整喫煙率は女性で10.2%、男性で33.4%となっており、1990年からの変化としてはそれぞれ、23.6%減、43.7%減でした。全年齢当たりの喫煙による死亡数は世界で7,690,000人、全死亡のうち13.6%を占め、日本においても、女性で37,000人、5.37%、男性で162,000人、22.8%となっています。世界においては、喫煙率は下がっているものの、人口が増加しているために喫煙者数自体は増加していること、2005年のたばこ規制枠組み条約(FCTC)発効後に喫煙率は下がったが、最近は下げ幅が鈍化していることから、さらなる政策としての対応が必要と議論しています。

【紹介者コメント】

この研究は、GBD(Global Burden of Diseases, Injuries, and Risk Factors Studyの一環として行われました。結果を見ると、日本でも、喫煙率、一人当たりの喫煙本数など、1990年に比べかなり減っているものの、世界の中ではまだまだ高水準です。東京オリンピック開催を契機にたばこ規制後進国から先進国の仲間入りを果たしたいところでしたが、その結果はどうだったのでしょうか。今後もいろいろな指数を用いて世界とも比較しながらモニタリングしていくことが重要と言えます。

担当委員: 山本 精一郎 (静岡社会健康医学大学院大学)

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