喫煙のがんを始めとする健康に関する情報(参考文献の紹介)|学会概要|日本癌学会

日本癌学会

学会概要

喫煙のがんを始めとする健康に関する情報(参考文献の紹介)

最終更新日:2023年7月27日 

日本癌学会喫煙対策委員会では、新型たばこを含め、喫煙とがんを始めとする健康にまつわる国内外の様々な研究結果について、注目すべき参考文献を定期的に1~2編ずつ紹介していく取り組みを始めました。ここに紹介する研究論文は、がん予防・がん医療に対するインパクトの強さ、社会的インパクトをはじめ、最新の健康・医療にまつわるトピックスなども参考に選択しています。

【参考文献19】

タイトル:A randomized controlled trial of a smoking cessation smartphone application with a carbon monoxide checker.
著 者:Masaki K, Tateno H, Nomura A, Muto T, Suzuki S, Satake K, Hida E, Fukunaga K.
雑誌名:NPJ Digit Med. 2020 Mar 12;3:35. doi: 10.1038/s41746-020-0243-5. eCollection 2020. PMID: 32195370 Free PMC article.
リンク:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32195370/

【文献の紹介文】

この論文は、スマートフォンのアプリと主治医向けウェブ患者管理ソフト、モバイル呼気COチェッカーを用いたデジタル禁煙療法(CASCシステム)の効果を調べた多施設共同ランダム化比較試験について報告したものです。ニコチン依存症の参加者548名をランダムに2群に分け、両群に対し最初に12週間の薬物療法とカウンセリングによる標準的な禁煙治療を行った後、介入群にはCASCシステム、対照群にはモバイルCOチェッカーなしのコントロールアプリの24週間の利用を促しました。プライマリ・エンドポイントは9-24週間の生化学的に確認された連続禁煙割合(CAR)で、介入群は63.9%、対照群は50.5%で介入群が有意に高いという結果でした。セカンダリ・エンドポイントは9-52週のCARで、こちらも介入群(52.3%)が対照群(41.5%)より有意に高いという結果でした。CASCシステムに特異的な有害事象も見られなかったとのことです。

【紹介者コメント】

CureApp社の禁煙アプリCureApp SCの効果を調べたランダム化比較試験の報告です。CureApp SCは日本で初めて厚生労働省より製造販売承認(薬事承認)を得て保険適用されたプログラム医療機器となりました。今後も、禁煙をサポートするいろいろな治療法の開発が望まれます。

担当委員: 山本 精一郎 (静岡社会健康医学大学院大学)

過去の参考文献

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