喫煙のがんを始めとする健康に関する情報発信【参考文献1】|学会概要|日本癌学会

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喫煙のがんを始めとする健康に関する情報発信【参考文献1】

最終更新日:2023年4月4日 

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タイトル:COVID-19 in patients with lung cancer.
著者:Luo J, Rizvi H, Preeshagul IR, et al.
雑誌名:Ann Oncol 2020; 31(10):1386-96.
書誌情報:doi:10.1016/j.annonc.2020.06.007 [published Online First: 2020/06/21]
リンク:https://www.annalsofoncology.org/article/S0923-7534(20)39894-X/fulltext
 

【文献の紹介文】

この論文では、米国の単一の病院におけるCOVID-19陽性肺がん患者102人について分析し、喫煙および慢性閉塞性肺疾患の死亡リスクへの影響を調べています。具体的には、SARS-CoV-2 RT-PCR検査で陽性となり、且つ、スローン・ケタリング記念がんセンターにおいて2020年3~5月に肺がんと診断・治療された102症例について25日間(中央値)追跡して調べたところ、25%の患者が死亡していました。喫煙歴が長い場合あるいは慢性閉塞性肺疾患がある場合に、死亡確率が統計学的に有意に高く、喫煙pack-years当たり2.9倍、慢性閉塞性肺疾患がある場合は3.9倍でした。
本研究の肺がん患者102人ではCOVID-19感染により25%が死亡しており、喫煙歴が長く、慢性閉塞性肺疾患がある場合に死亡リスクが高かった。結果は先行研究と一致していましたが、分析患者数102例と少なく、さらなる大規模研究による検証が必要です。
 

【紹介者コメント】

肺がん患者など持病のある人がCOVID-19に感染しないように注意・配慮するとともに、禁煙を推進してCOVID-19感染による重症化(死亡)、慢性閉塞性肺疾患や肺がんを予防することも重要だと考えられます。

 

担当委員:田淵 貴大(大阪国際がんセンター)

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