喫煙のがんを始めとする健康に関する情報発信【参考文献14】
最終更新日:2023年4月4日
タイトル: | Low frequency of cigarette smoking and the risk of head and neck cancer in the INHANCE consortium pooled analysis. |
著者: | Berthiller J, Straif K, Agudo A, Ahrens W, Bezerra Dos Santos A, Boccia S, et al. |
雑誌名: | Int J Epidemiol. 2016;45(3):835-45. |
リンク: | https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5005938/pdf/dyv146.pdf |
【文献の紹介文】
この論文は、頭頚部がんに関する23の症例対照研究から得られたデータをプールして、少ない本数の喫煙がどれだけ頭頚部がんの発症に影響するかを検討した研究報告です。4,093人の頭頚部がん症例と13,416人の対照者が分析に含まれました。1日3本までの喫煙は頭頚部がんのリスクを50%増加させ、1日5本までの場合は約2.1倍に、10本までの場合は約2.6倍に増加させていました。喫煙期間との組み合わせでは、少ない本数の喫煙では喫煙期間が長いことが発症に影響していました。
【紹介者コメント】
タバコの消費量に無害なレベルはないことは、肺がん、脳卒中、冠動脈心疾患などで報告されてきました。今回、1日3本までの喫煙でも頭頚部がんのリスクの増加が認められたことから、やはり、タバコの消費量に無害なレベルはないことがわかります。ここから、話を発展させると、タバコに含まれる有害物質が仮に1/10になっても、タバコが引き起こす病気は1/10までは減らないことが容易に推測できます。
担当委員: 川井治之 (岡山済生会総合病院 呼吸器内科)