喫煙のがんを始めとする健康に関する情報発信【参考文献3】|学会概要|日本癌学会

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喫煙のがんを始めとする健康に関する情報発信【参考文献3】

最終更新日:2023年4月4日 

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タイトル:Age-related remodelling of oesophageal epithelia by mutated cancer drivers.
著者:Yokoyama A et al.
雑誌名:Nature 2019, 565(7739):312-317.
書誌情報:10.1038/s41586-018-0811-x.
リンク:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30602793/
 

【文献の紹介文】

この論文では、人の食道粘膜の細胞の遺伝子配列を網羅的に調べる事により、がんがいつ、どう発生するのかに関しての検討を行っています。がんとはまだ診断できない正常の食道組織において、がんの原因となる遺伝子に変異が入った細胞集団が既に発生しており、その集団の数はアルコール摂取と喫煙によって加速的に増えるという事を報告しています。遺伝子変異をもった細胞集団は、加齢とともに増えていきますが、大量の喫煙や飲酒への曝露によりさらに増えるということです。
 

【紹介者コメント】

飲酒・喫煙は食道がんのリスク要因として疫学的に知られていますが、明らかにがんと分かる前の正常な細胞の時点で既にがんの原因となる遺伝子変異が発生している細胞集団が存在する事を明らかにした研究です。多くの正常の中に紛れ込んだ異常を検出できるようになった事で、どうやって飲酒・喫煙ががんを起こしていくのか始まりの部分が明らかになってきました。

担当委員: 牛島 俊和 (国立がん研究センター 研究所)

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