喫煙のがんを始めとする健康に関する情報発信【参考文献2】|学会概要|日本癌学会

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喫煙のがんを始めとする健康に関する情報発信【参考文献2】

最終更新日:2023年4月4日 

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タイトル:Tobacco smoking after diagnosis of cancer : clinical aspects
著者:Jacek Jassem
雑誌名:Translational Lung Cancer Research 8(S1):S50-S58, 2019
書誌情報:10.21037/tlcr.2019.04.01
リンク:https://tlcr.amegroups.com/article/view/28144/21198
 

【文献の紹介文】

本論文では、がんと診断されたあとの患者さんの喫煙状況に関する報告がなされています。
がんと診断された直後、ほどんどの喫煙患者が短期的にはたばこをやめたり、やめる意向を示すものの、サバイバーの最大50%が喫煙を継続している事が知られています。
しかし、喫煙を続けることは、二次がんリスクの上昇、術後合併症のリスクの増加、放射線の有効性と耐性の低下、全身療法の有効性と耐性の低下、健康機能と生活の質の低下、全体的な死亡率の増加と関連し、喫煙を続けることはがん患者の生存の最も強力な有害な予測因子と考えられています。しかしながら、禁煙の利点は過小評価されているとも論じています。
多くの患者は、がん診断後に喫煙継続したときの害に気づいていない上に、医療専門家はしばしば患者に禁煙を勧めず、喫煙継続者への禁煙支援の提供が行われていません。すべての患者は、喫煙状況についてスクリーニングされ、禁煙の利点についてアドバイスを受ける必要があると考えられます。
 

【紹介者コメント】

がんの治療成績が向上し、サバイバーが増える中、喫煙という重要な要素が患者と医療提供者の双方において正面から取り組まれていないことに関しての警鐘を鳴らす論文です。

担当委員:平野 公康 (国立がん研究センター がん対策情報センター)

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