第23回日本癌学会市民公開講座
最終更新日:2023年5月26日
司会:金子 周一 先生(金沢大学大学院医薬保健学総合研究科 科長)
大島 正伸 先生(金沢大学がん進展制御研究所 所長)
日本人の3人に1人はがんで亡くなる時代になり、がんの研究は、ただ病気を治せるかだけではなく、がんの発症を予防できるかどうか、発症しても簡単な治療で治せるかどうかに目標がシフトしてきています。その最先端を分かりやすく伝える日本癌(がん)学会恒例の市民公開講座では、司会の金子周一先生が「がんは非常に身近な病気なだけに、がんの研究者が市民の方々と情報交換し、応援をいただきながら、一緒に目標に向かっていくことが大事になっています」と述べました。
講演1「胃がんで亡くならないために何をなすべきか」
浅香 正博 先生
(北海道大学大学院医学研究科がん予防内科学講座 特任教授)
ピロリ菌の除去治療で胃がんは劇的に減少中!?
慢性胃炎まで過去のものにしつつあるという胃がん克服の最前線。
講演2「外科治療の最前線―安全に膵がん手術を受けて頂くための術前対策」
太田 哲生 先生(金沢大学消化器・乳腺・移植再生外科 教授)
膵臓(すいぞう)がんといえば、見つかりにくく治りにくいがんの代表格。 そんな難しい病気の手術でも、腸の調子を整えることで、結果を少し良くすることができるかもしれません。 手術前に“腸能力”を高める作戦とは?
講演3「肺がんの予防と治療はこんなに進んでいる!」
矢野 聖二 先生(金沢大学がん進展制御研究所腫瘍内科 教授)
分子標的薬の登場で、肺がんの治療はこの10年ほどで劇的に変わってきています。 予防についても研究が進みつつありますが、一番効果的な予防といえばやはり……。
講演4「乳がんの再発に関わるがん幹細胞」
後藤 典子 先生(金沢大学がん進展制御研究所分子病態研究分野 教授)
乳がんの一番の問題は再発率の高さです。一体なぜ再発率が高いのか? 実は、そこにはがん細胞の親玉、“女王蜂”のような「がん幹細胞」が関わっていたのです!