坂口志文・大阪大学特任教授 ノーベル生理学・医学賞受賞のお知らせ
最終更新日:2025年10月8日
この度、日本癌学会員 坂口志文先生がノーベル生理学・医学賞を受賞されたことは大変喜ばしく、学会員一同大きな感銘を受けております。
坂口先生は、免疫学の根幹である自己と非自己を識別し、非自己は攻撃するが自己には免疫寛容が成立する、という概念に重要な役割を果たしている制御性T細胞を発見されました。これにより、自己に対する免疫寛容、とりわけ末梢性免疫寛容の新たな考え方を構築され、自己免疫疾患などの病気に関する理解が深まりました。一方、がん免疫においては制御性T細胞が有効な抗腫瘍免疫応答を抑制していることが明らかになり、今後、制御性T細胞を標的とした治療の臨床応用が進んでいくことが期待されます。
坂口先生は本学会総会などでこれまでも何度も優れた業績を講演されるとともに、次世代の研究者を鼓舞されてきました。本学会は、今後は坂口先生の偉業をもとに、さらにがん研究、がん免疫研究の発展に貢献していきます。
西川 博嘉先生(京都大学 教授、名古屋大学 教授、国立がん研究センター 分野長)よりコメントをいただきました。






