日本癌学会

一般の皆さまへ

第46回 一般社団法人日本癌学会市民公開講座

最終更新日:2025年9月15日 

概要

テーマ

最新のがん治療と未来への懸け橋

日時

2025年9月27日(土)15:30〜18:00

開催方式

ハイブリッド開催(会場+WEBライブ配信)
会場:金沢市アートホール
(〒920-0853 石川県金沢市本町2丁目15−1ポルテ金沢6F)

主催

一般社団法人日本癌学会、公益財団法人日本対がん協会

共催

公益財団法人北國がん基金、次世代北信がんプロ

後援

厚生労働省、文部科学省、石川県、金沢市、石川県医師会、金沢市医師会、
国立大学法人金沢大学、金沢コンベンションビューロー、全国がんプロ協議会

参加費

無料(会場定員300名)
*先着順

プログラム

司会

矢野 聖二(日本癌学会 副理事長、金沢大学呼吸器内科 教授)
後藤 典子(日本癌学会 広報委員長 金沢大学がん進展制御研究所 教授)

開会の挨拶(15:30~15:40)

大島 正伸(日本癌学会 理事長、第84回日本癌学会学術総会会長、金沢大学がん進展制御研究所 教授)
梅田 正行(日本対がん協会 理事長、株式会社朝日新聞社 顧問)
和田 隆志(金沢大学学長)

講演

講演1(15:40~16:00)

「進化を続ける肺がんの治療」
  矢野 聖二(金沢大学医薬保健研究域医学系 呼吸器内科学)

肺がんはわが国のがん死亡原因の第1位で、その数はいまだ増加の一途をたどっています。肺がんの最も重要な原因は喫煙なので、予防にはタバコを吸わないことが大切です。また、40歳を過ぎるとレントゲン撮影による肺がん検診を受け、早期発見することが重要です。治療は主に外科的切除、放射線治療、薬物療法があり、近年いずれも目覚ましい進歩を遂げています。外科的切除ではロボット手術による低侵襲手術が、放射線治療では強度変調回転放射線治療などの定位放射線治療が導入されて残存臓器機能を可能な限り保つことが可能になってきています。薬物療法としても、従来からの抗がん薬に加え、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の登場により、進行期肺がんの治療成績も徐々に向上してきています。さらに近年では、抗体に抗がん薬を結合させた抗体薬物複合体や、一つの抗体分子が2種類の異なる抗原に結合することができる二重特異性抗体が新たに承認され、実際に肺がん患者さんの治療に使われるようになってきており、従来の薬物療法が無効になった患者さんにも一定の治療効果が期待されます。その一方で、副作用や高額な医療費が問題となっています。今回の市民公開講座ではこのような肺がん治療の最新情報をお届けいたします。

講演2(16:00~16:20)

「がんを切る、命をつなぐ 〜最新の外科治療と未来への挑戦〜」
  稲木 紀幸(金沢大学医薬保健研究域医学系 消化管外科学/乳腺外科学)

かつては外科的切除が唯一のがん治療手段でしたが、現在では化学療法、分子標的薬や免疫療法、さらには放射線治療など、多様な選択肢が加わりました。それでも、完全治癒を目指すには外科的切除はいまなお重要な柱であり続けています。また、切除したがん組織を基に基礎研究を進め、未来のがん治療へとつなげる役割も外科医に求められています。近年は、低侵襲手術やロボット支援手術が発展し、安全かつ高精度な治療が可能となっています。さらに、AIや遠隔手術技術の進歩により、外科治療は新たな次元へと進化しています。本講演では、こうした最新の外科治療の実際と今後の展望についてお話しします。

講演3(16:20~16:40)

「乳がんと共に生きる~正しい知識と上手な付き合い方~」
  井口 雅史(金沢医科大学病院 乳腺外科) 

乳がんは日本人女性の9人に1人がかかる病気です。男性も乳がんになります。近年、未婚、未授乳歴、肥満、運動不足、家族歴などの乳がんの様々なリスク因子(なりやすい方の特徴)がわかってきましたが、これらのリスクを避けるだけでは完全に乳がんにかかることを予防する(一次予防)ことはできません。となると乳がんの早期発見(二次予防)が重要になりますが、乳がん検診を受けていれば安心なのかといえば、乳腺濃度の高い方はマンモグラフィで乳癌が見つけにくいことも分かっており、マンモグラフィ検診も100%の診断力はありません。検診で異常なしとされても時々乳房を触れたり、鏡で見たりして気になることがあれば病院に受診するなど、乳がんができていないか日頃から意識する(ブレストアウェアネス)ことが重要です。世の中にはテレビやソーシャルメディアなど様々ながんに関する情報が氾濫しており、一般の方々は、何が正しい医療情報なのかを見分ける力も必要になってきます。乳がんは正しい治療を選択し受けてもらえれば、決して根治不能な病気ではありません。様々な種類(サブタイプ)や進行度に応じた治療法が日進月歩で進歩しており、治療内容はどんどん個別化されており、一律ではありません。同じ乳がんでもご友人からの情報やSNSの体験記とはほぼ同じ治療にはなりません。本講演にて乳がんの正しい知識を身につけて頂ければ幸いです。

休憩(16:40~16:50)

講演4(16:50~17:10)

「がん核酸医薬のトランスレーショナルリサーチ」
  谷口 博昭(金沢大学がん進展制御研究所)

がん治療は従来、低分子薬や抗体医薬が中心でしたが、近年、遺伝子そのものを直接狙う「核酸医薬」が注目されています。私たちは、乳がん・膵がん・卵巣がん・肺がんなどで異常に高く働き、がんの再発や転移に関わるPRDM14を標的に、小さなRNA薬(siRNA)を開発しました。理学・工学・薬学の研究者や国内外企業と連携し、効果的なsiRNA設計とがんに届くナノマシンを創出しました。がん研究会有明病院で難治性乳がんを対象に世界初の第I相治験を開始し、安全性と一部患者での進行抑制を確認し、臨床応用への道筋が明らかになりました。核酸医薬は、がん治療法の新たな選択肢となると確信し研究に邁進しています。

講演5(17:10~17:30)

「本物に触れ、未来を創ろう!~高校生が体験する、がん研究の最前線(がん研EEP)~」
  平尾 敦(金沢大学がん進展制御研究所)

なぜ正常な細胞ががん化するのか。がん細胞をどのようにすれば効果的に死滅させられるのか―このような問いに、私たちがん研究者は長年挑み続けています。しかし、いまだに解明されていないことが多くあります。金沢大学がん進展制御研究所では、WPIナノ生命科学研究所と連携し、2022年より高校生向けの「がん研究早期体験プログラム(がん研EEP)」を実施しています。高校生の皆さんが研究現場での見学や体験を通じてがん研究への関心をもち、将来、この分野に挑戦するきっかけになればと考えています。がん研EEPは、内容の多様性や研究レベルの高さはもとより、運営費の大半を一般の方々からのご寄附によって賄っている点が大きな特長です。本講演では、活動の背景や気づき、今後の展望をご紹介します。

パネルディスカッション (17:30~17:55)

閉会の挨拶 (17:55~18:00)

後藤 典子(日本癌学会 広報委員長 金沢大学がん進展制御研究所 教授)

お申し込み

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申込締切:2025年9月26日(金)

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申込締切:2025年9月19日(金)

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お申し込み・お問い合わせ先

第46回日本癌学会市民公開講座事務局

第46回日本癌学会市民公開講座 事務局
住所:〒920-0025 石川県金沢市駅西本町1丁目14番29号 サン金沢ビル3F
E-mail:shimin-jca2025@c-linkage.co.jp

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