第45回 一般社団法人日本癌学会市民公開講座|一般の皆さまへ|日本癌学会

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一般の皆さまへ

第45回 一般社団法人日本癌学会市民公開講座

最終更新日:2025年4月22日 

概要

テーマ

女性のがんと予防

日時

2025年5月24日(土)13:30~16:30

開催方式

ハイブリッド開催(会場+WEBライブ配信)
会場:岡山大学鹿田キャンパス Junko Fukutake Hall
(〒700-0914 岡山県岡山市北区鹿田町2丁目5−1)アクセス

主催

一般社団法人日本癌学会

後援

厚生労働省、文部科学省、公益財団法人日本対がん協会、岡山県、岡山市、岡山大学、
岡山県がん診療連携協議会、日本産科婦人科学会、特定非営利活動法人せとうち臨床遺伝研究会、ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種に関する相談支援・医療体制強化のための地域ブロック拠点病院整備事業 中国ブロック

参加費

無料(会場定員200名)
*先着順

プログラム

司会

後藤 典子(日本癌学会 広報委員長 金沢大学がん進展制御研究所 教授)
平沢 晃 (岡山大学学術研究院医歯薬学域 臨床遺伝子医療学分野 教授)

開会の挨拶(13:30~13:45)

大島 正伸(日本癌学会 理事長、金沢大学がん進展制御研究所 教授)
那須 保友(岡山大学 学長)
平沢 晃(岡山大学学術研究院医歯薬学域 臨床遺伝子医療学分野 教授)

講演

講演1(13:45~14:10)

「がんゲノム医療と女性のがん」
  間野 博行(国立がん研究センター研究所)

患者さんの腫瘍における数百種類のがん関連遺伝子配列を一度に調べ、その結果によって最適な薬剤を選択する「がんゲノム医療」が誕生しました。我が国においても2019年6月から「がん遺伝子パネル検査」(多くのがん遺伝子配列を一度に調べる検査法)が保険収載され、国民皆保険下でがんゲノム医療が開始されたところです。どの地域の患者さんがどのがん遺伝子パネル検査を受けても、等しくその恩恵を受けることを目的として「がんゲノム情報管理センター(C-CAT)」が設置されました。検査会社・病院からゲノム情報・診療情報がC-CATに送られてきて、一方C-CATでは各患者さんにマッチした保険承認薬・臨床試験の情報をまとめた「C-CAT調査結果」を作成し各病院に返却します。2025年2月現在で277の施設でがんゲノム医療が保険診療下で行われており、その数は増え続けています。さらにC-CATに集まったデータは広く研究にも利活用されています。日本の子宮内膜がんが大きく4種類のサブタイプに分けられることや、遺伝性乳がん卵巣がん症候群の原因遺伝子であるBRCA1/2に日本人固有の病的バリアントが多数あることもわかってきました。この日本のがんゲノム医療体制は世界最先端のものであり、女性のがんにも広く応用されつつあります。

講演2(14:10~14:35)

「子宮頸がんゼロの未来へ!–あなたの行動がカギになる」
  小川 千加子 (岡山大学学術研究院医歯薬学域 周産期・小児救急医療学講座)

15〜30代(AYA世代)の女性のがんで、乳がんに次いで多いのが子宮頸がんです。この年代は社会人デビューや妊娠出産といったライフイベントを迎えますが、子宮頸がんにより子を残して亡くなるお母さん、子宮摘出を余儀なくされる女性、治療の後遺症で生活や仕事に困難を抱える方が後を断ちません。日本では、子宮頸がんが増加し続けています。
子宮頸がんのほとんどは、HPVというウイルスが原因です。HPVはありふれたウイルスで、誰もが感染する可能性があります。この感染を予防するPVワクチンは、一定の年齢で公費接種となっています。また、子宮頸がん検診により、がんになる前の症状がない段階=異形成という段階で早期発見・早期治療が可能です。HPVワクチンと子宮がん検診により子宮頸がんは予防できるため、きちんとした対策により子宮頸がんは撲滅可能だと言われています。しかし、日本はワクチン接種率、検診率共に低く、世界に立ち遅れています。その理由の一つに、HPVワクチンへの懸念があります。現在では、HPVワクチンの安全性・有効性が確認され、接種後症状への医療体制も整備・強化されています。子宮頸がん予防について正しい知識を知り自分に合った予防を行うと共に、身近な人に「一緒に考えよう」と声をかけていただくことにより、一人でも子宮頸がんで苦しむ方が減ることを願っています。

講演3(14:35~15:00)

「遺伝性腫瘍に見られるバリアントの解析と評価方法について」
  細野 祥之 (岡山大学学術研究院医歯薬学域 薬理学分野)

がんの約1割は遺伝因子が原因の遺伝性腫瘍であると考えられています。代表的なものには、乳がんや卵巣がんに関連するBRCA1およびBRCA2遺伝子の変異などが挙げられます。これらの遺伝子変異を持つ個人は、一般集団と比べてがんの発症リスクが高いため、早期診断や予防的治療の観点からも遺伝子検査が重要視されています。最近では、多くのバリアント(特定の遺伝子に生じた塩基配列の変異)を一度に発見する次世代シーケンス技術が診療に用いられるようになりました。これにより、従来の方法では検出が難しかった遺伝子変異も網羅的に解析できるようになり、より正確な診断が可能になっています。特に、家族歴のある患者さんに対しては、この技術を活用することで遺伝的リスクを評価し、個別化医療の実現が進められています。しかし、発見されるすべてのバリアントが病的な意味を持つわけではなく、中には臨床的な意義が不明なバリアント(VUS: Variant of Uncertain Significance)も多く含まれています。VUSの存在は、診断や治療方針の決定を難しくする要因となるため、それらを適切に評価するシステムの構築が求められています。我々は日々の基礎研究において、これらのバリアントの機能解明や病的意義の評価に貢献することで、より正確な診断と適切な治療選択を可能にし、最終的には患者さんの治療や予防に役立つことを目指しています。本講演では、最近のバリアントの評価系について、現在の課題や今後の展望も含めて具体例な事例を交えながら解説します。

休憩(15:00~15:15)

講演4(15:15~15:40)

「女性が知っておきたい乳がん・卵巣がん ~遺伝性リスクを正しく理解する~」
  三木 義男 (筑波大学 プレシジョン・メディスン開発研究センター)

乳がんや卵巣がんには、遺伝的要因が関与する症例があり、特に「遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)」はBRCA1・BRCA2遺伝子の病的バリアントにより発症リスクが大幅に高まります。このリスクを正しく理解することが、早期発見や予防の第一歩となります。本講演では、乳がん・卵巣がんの基礎知識や最新の研究を交えながら、遺伝性リスクの評価方法、遺伝子検査の活用法、予防的手術などの最新の医学的アプローチを解説します。さらに、個別化医療の進展により、PARP阻害薬などの標的治療が活用されるようになり、その特徴についてもお伝えします。「知ること」から始める予防と対策を一緒に考えましょう。ぜひご参加ください。

パネルディスカッション (15:40~16:25)

閉会の挨拶 (16:25~16:30)

後藤 典子(日本癌学会 広報委員長 金沢大学がん進展制御研究所 教授)

お申し込み

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お申込締切:2025年5月21日(水)正午
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お申し込み・お問い合わせ先

第45回日本癌学会市民公開講座事務局

第45回日本癌学会市民公開講座運営事務局
〒530-0005 大阪市北区中之島4‐3‐51
Nakanoshima Qross 未来医療R&Dセンター11階
E-Mail: shimin-jca@congre.co.jp

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